二松学舎大学の演劇サークル「こんにちはシアター」で出会った、原ゆうや、須賀則光、山本准、鈴木さや香…を中心に、人間同士の関係が互いに遠のいていく世間の現状を憂い、演劇ならではの「LIVE(生)」の力によって、生の声、生の言葉、生の感情を伝えようと旗揚げ。デジタルでドライで、メディアを媒介した人付き合いが広まる中、暑苦しいとか、うっとおしいとか、思う人も多いかもしれない。それでも人は生きている。生きている人の「生」の力や心は、役者がそこにいて、舞台がそこにある、演劇という「LIVE(生)」が必ず伝えてくれる、思い出させてくれる。そう信じて劇団YAX直線は今日も演劇一直線
…などととりあえず格好つけてみましたが、実際のところ、そんなに大仰で崇高な理念やテーマを掲げて、宗旨としているわけではありません。
では何かと言うと、自分自身そうだったんですが、学生時代にあんまり「光」の当たらなかった人たちの希望になりたいと思ってます。
スポーツマンでもなく、優等生でもなく、不良でもなく、イケメンでもなく…とにかく目立たない、卒業アルバムを開いて「誰だっけ…?」と思われてしまうような、かといっていじめられたり不登校だったわけでもない、家庭もごく一般的で問題もない、そんな日陰にいたような人だって、実はすげえおもしろいんだ、自己表現できるんだ…と、いうことを強く訴えたい…と。そしてその為に必要なのは演劇(舞台)である…と。
勉強も出来ない。スポーツも出来ない。対人関係も上手いほうではない。モテない。これといって賞賛される特技も実績もない。しかしそれでも、輝ける瞬間はあり、拍手を頂ける瞬間がある、一つの大きな「場」としての演劇。
…こういう言い方では身も蓋もないですが、そういう意味で僕は舞台表現を「ダメ人間最後の砦」と考えてます。
また一方、当劇団では「ファンタジー・バカ」及び「人はもっとインチキだ」を作品の旗印(スローガン)にしています。
「バカ」は讃辞です。絶対に間に合わないとわかっていても一塁にヘッドスライディングするような、そんな「バカ」でいたいと思ってます。
「インチキ」も同様です。世間で流布するドラマのように美男美女の繰り広げるお話はステキかもしれませんが、そんなもの身近にはなかなかありません。
むしろそれから比べれば何かおかしい、「インチキ」だというものが逆にリアルだと思ってます。作品はもちろんフィクションですが、演劇に限らず全てのフィクションはある程度のリアリティに担保されなければならず、当方ではそれを「インチキ」に置いているというわけです。
ちなみに今更ですが「YAX」とは、主宰原ゆうやのアダナ(最初は「ゆうやックス」だった)です。
直線は主宰原ゆうやの好きな言葉。彼の伝えたいことをそのままお届けする。変化球は投げない。回り道はしない。馬鹿正直に、愚直に、直線を直進します。
そんなYAX直線を、どうぞよろしくお願い致します!
劇団YAX直線は、熱く、ウザく、愚直に素直に一直線に演劇を創り続ける、明日の玄人を目指す素人演劇軍団であります。
素人というと未熟であるとか、クオリティが低いとかネガティブに解釈も出来ますが、当方では「成長中である(まだ伸びしろが抱負である)」「前例にとらわれない(固定観念がない)」と、前向きな意味で捉えています。